私たちは、ふだん外の世界の音に囲まれて生きています。
仕事の予定、SNSの情報、人からの期待、やらなきゃいけないことのリスト……
その中でいちばん小さくて、いちばん後回しにされがちな声があります。
——それは、自分の心の声。
でもその声こそが、いちばん素直で、いちばん本音で、
いちばん“自分らしさ”が詰まっています。
心の声は、一番小さくて一番正しい
「どうしたい?」
「今は何を望んでる?」
「何をやめたい?」
こういう問いかけを、自分に向けることって、大人になればなるほど少なくなります。
でも、心の声はいつも出ています。
ただ、雑音にかき消されて聴こえにくくなっているだけ。
だからまずは、自分の心の声を聞くために“耳を澄ませる”というご自愛から始めましょう。
自分は“お姫様”であり、“召使い”でもある
わたしの中に、みなさんの中にも、
「こうしたい」「これはイヤだ」と素直に言う小さなお姫様がいます。
そして、その声を聞き、できる範囲で願いを叶えてあげる現実担当の召使いもいます。
この2人の関係が、自分の暮らしや心地よさを作ります。
お姫様はわがままじゃない。
ただ、本当の気持ちを正直に伝えてくれているだけ。
召使いも完璧じゃなくていい。ただ、声を無視しないことが大切です。
まずすることはただひとつ:「ねえ、本当はどうしたい?」と聞く
お姫様にインタビューするみたいに、そっと尋ねる。
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今日は静かに過ごしたい?
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甘いものがちょっと欲しい?
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温かいスープが飲みたい?
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SNSを閉じたい?
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ふわふわの毛布にくるまりたい?
叶えられるかどうかは、まだ考えなくていい。
聞くことそのものが、もうすでにご自愛です。
召使いの自分は、“すべてを叶えなくていい”
ここがいちばん大切。
心の声を聞いても、ときには召使いの自分が疲れ切って動けない日もあります。
「湯船に浸かりたい」って聞こえても、掃除もお湯張りもしたくない日もある。
そんな日は——
聞いただけで100点満点。
召使いは万能じゃなくていい。
叶えるのは余裕がある日の特権です。
余裕がある日は、ひとつだけ願いを叶える
召使いに戻れる日、動ける日もある。
そんな日は、お姫様の願いをひとつだけ選んで叶えてあげれば十分です。
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「あたたかい飲み物が飲みたい」→ お湯で溶いてインスタントのスープをつくる
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「静かな時間がほしい」→ スマホを伏せる
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「お気に入りの香りがほしい」→ アロマを1滴
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「体を休めたい」→ 10分だけ横になる
全部叶える必要はありません。たったひとつでいいのです。
ささやかなことでも、自分のために行動したことが、心の満足度をそっと上げてくれます。
お姫様と召使いが仲良くなると、自分と仲良くなれる
心の声を聞く。余裕がある日は叶える。
ない日は聞くだけでOK。
そんなシンプルなリズムを続けると、自分との関係が少しずつやわらかくなります。
それはなぜか?
自分が、自分を無視していないから。
これこそ、ご自愛ラボが大事にしている「自分と仲良く生きる」という感覚。
さいごに:今日のお姫様は、何と囁いていますか?

あなたのお姫様は、今日どんな声を出しているだろう。
「寒い」かもしれないし、「静かにしていたい」かもしれないし、
「ちょっと甘やかしてほしい」かもしれない。
どんな声でも大丈夫。
無視しないことが、やさしさです。
召使いになれない日でもいい。
聞くだけで、もうじゅうぶんご自愛なのです。


